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ブックマーク / nitino.hatenadiary.jp (3)

  • 独りでいた時に声をかけてくれた人 - うどんこ天気

    高校の頃は、朝に家を出て、電車に乗って終点まで行って帰っていた。学校が嫌だった。そうすると出席日数が少なくなりすぎて先生が怒った。それを聞いた親も怒った。仕方が無いので、無理やり行くようにした。行かないと家に連絡があった。頭がおかしくなりそうだった。行っても誰かと話すわけでもなく、机で難しいを読んで授業聞いて寝ていた。周囲は楽しげで明るくて話をしたり何をしていた。雑誌があって。お弁当があって。リップクリームがあって。笑い声。雑談の声。自分が笑われているような気がしていた。私は独りで、ここで、無愛想な顔で、暗い空気を振りまきながら居る私は、どうしようもなく陶しそうな存在だ。私のようなのが存在しているということが、上下に敏感でない人にも上下を思い出させるから、いらだたせるのだろうか。私のようなのが存在していることで悦ぶ人は自分の醜い部分を直視してそれを直視したくないがために「お前のために言

  • メリークリスマスの思い出 - うどんこ天気

    街ではハロウィンの飾りつけが終わってクリスマスの飾り付けになっていた。 私は以前ケーキ屋さんでアルバイトをしていたのだが、クリスマスケーキの需要は恐るべき激しいものだった。一年間の売り上げのうちの三割がクリスマスケーキ…クリスマスの二日で成り立っているとのこと。 予約以外の客も飛び入りでケーキを購入していくので、小売店の後ろでは必死の形相で「ななななななクリーム泡立てろハヤク」「スポンジにシロップ打てい」「苺切れ」「早く片付けろ」「メシを押し込め」「砂糖入れろ」「うごけうごけ」「苺かってこい」と予約+飛び入りのケーキを作りまくる。そのうち次の日の予約のケーキも飛び入りの人に回す羽目になるので、ありえない量作り続ける羽目になる。同じ作業を何度も何度も繰り返す。生クリーム。苺。小麦粉。飾りつけ。私はアルバイトだったので、朝の8時から夜の12時までの14時間だったけども、店長さんは連日の貫徹でフ

  • 相互不理解で失恋した話 恋愛はつもりででも出来るとかなんとか - うどんこ天気

    「センチメントの季節」という漫画がある。性がテーマだが単なるエロ漫画では無く、性にまつわる悲しさや心の動きが繊細に物悲しく描いてある。重く切ない。以前、付き合っていた人はアニメや漫画が嫌いだった。昔好きだったらしいが、脱オタしたらしい。ある日、私は夕飯の準備をしていた。台所に、部屋から爆笑が聞こえた。彼は「センチメントの季節」を読みながら「アハハハハハハ、セックスしよーだってあはははくだらねえ、アハハばかじゃねえかー」と言っていた。「どの話?」と私は聞いた。私がかなり好きだった話だった。昔の私のような眼鏡の女の子でコンプレックスを持った女の子の話。昔の、自分。「こんなこと有る訳無いじゃん」「てゆか、うざくねー?絶対やだ、キモい」私は、その彼の哂う顔と声で…もうこの人とそういうことは、出来ないな…と何となく思った。…この人は昔の私を哂うんだろうな…。そういうことのときの、私の気持ちを考えたり

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