同僚から嫌われてしまった悲しみが、世間的には黄金週間だが、弊社的には五月病やウツを患うどころか半勃起する暇すらないほどの繁忙期に働き続ける僕の中から消え去らない。黄金週間前の、一年でもっともウキウキする季節にトイレの個室で用を足しているときに自分の悪口を耳にするほど切ないこともないのではないか。「人をバカにしやがって!」「あの嫌味ジジイ」「同じ会社じゃなかったら殴ってる」などと僕を詰る若手同僚たちの声、声、怖えぇ。命が危ない、絶対に存在を悟られてはならぬ。肛門からブブブ音が漏れないよう細心の注意を払いながら悲しみと便意と若手同僚たちをやり過ごした、あの、耐え難い時間を僕は生涯忘れないだろう。 人に嫌われるのは構わない。ただ、僕がバカにするような態度や口ぶりをしたというのは完全な事実誤認なので納得いかない。発言の撤回を執拗に求めたい。なぜなら僕は若手同僚をバカにしたことなど一度たりともないか