コロナ禍で五輪開催が危ぶまれていた2020年3月10日。高橋氏は米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の取材に「1年か2年の延期が現実的」などと持論を展開し、国内外に波紋が広がった。 組織委員会の理事である高橋氏が独断で発言したことに、誰よりも不快感を示したのがトーマス・バッハIOC会長だった。IOCの頭越しに、米国を巻き込んで延期の流れを作ろうとしたことが気に入らなかったのだ。 バッハ氏 ©共同通信社 2週間後、バッハ氏と安倍首相との電話会談で、東京五輪の1年延期が決定するが、2020年3月当時、コロナ禍での開催延期を巡る議論の最中に独断で延期を唱えた高橋氏にバッハ氏が不快感を示し、日本側に理事辞任を求めていた。 およそ2カ月後、バッハ氏の意を汲んだ森氏は東京・赤坂の料亭「佐藤」で高橋氏と対峙する。引導を渡そうとする森氏に対し、高橋氏は激高しこう開き直った。 「冗談じゃない。やれるもん