引き続いて、岡和田晃による『真・女神転生』論をご覧ください。 『真・女神転生』をめぐる外挿法(エクストラポレーション)の射程 岡和田晃 本論考では、今や一大産業と化した感のある『女神転生』シリーズの中でも、人口に膾炙し、かつ尖鋭的なシナリオと練りこまれたゲーム性によって、名実ともにシリーズを代表する傑作との評価を崩さない『真・女神転生』と、同タイトルが体現したSF的想像力について、主に、SFの重要な技巧である外挿法をめぐる形で論じていく。 ●空無化された境界 「メガテンの記憶」において鈴木一也は、『女神転生』シリーズの出発点を、西谷史の小説『デジタル・デビル・ストーリー』が体現したような、「伝奇モノと云われるバイオレンスとセックスとクリーチャーの盛り合わせ」に置いている。加えて鈴木は西谷の小説を、ライトノベルの最初期の作品として位置付けている。 伝奇小説が有したいわゆる偽史的想像力と、その
今回の東京SF論は、コンシューマーゲームを中心にマルチな展開を見せる『真・女神転生』(スーパーファミコンソフトほか、アトラス、1992)を取り扱います。 言うまでもなく『女神転生』シリーズは、ゲームというジャンルにおいて、東京SFのコアへ最も接近した作品の一つであると言えるでしょう。 その本質へ少しでも迫っていくため、まずは、『女神転生』シリーズに深く関わり、『女神転生?』、『真・女神転生』、『偽典・女神転生』のメイン・シナリオライティングを担当された鈴木大司教こと鈴木一也様にお願いして、『女神転生』についての文章を書いていただきました。 なお、鈴木一也様は過去、SF大会にゲストで招かれたこともあるほどSFに対しても理解が深いのですが、創作への情熱がほとばしるこの文章を目にすれば、東京というダンジョンを表現する鈴木一也様の視点が、まさしくSFにほかならないことがわかるでしょう。 メガテンの
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