大島渚が亡くなった。大島さんには30年前、『戦場のメリークリスマス』の公開にさいして本を2冊つくったときに聊かの面識を得た。記憶にのこる出来事などもあるけれど、今回はちょっと別のことについて書いておきたい。 今月21日の朝日新聞朝刊に篠田正浩、吉田喜重と映画評論家の樋口尚文の追悼文が掲載された。吉田さんの短い談話が、大島さんと自分との気質や志向するものの違いを強調していて心に残った。ちょうどいま編集している本の参考に篠田正浩や吉田喜重の著書を読み返したりしていたのでひときわ感慨深いものがあった。 よく知られるように松竹大船撮影所から相次いで監督となった大島、篠田、吉田らは松竹ヌーヴェルヴァーグと称されて脚光を浴びた。命名したのは当時週刊読売の記者だった長部日出雄さんである。むろんフランスのヌーヴェルヴァーグにあやかってのものだが、従来の映画を批判的に乗り越えようとする意志において彼我の新進
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