さて、漫才についてですが、まあ、M-1ですけど。今回は全体に低調でしたねえ。まず「客と店員」という設定の漫才が多すぎる。シチュエーションでもうゲンナリですよ、トータルテンボスとか。よく練習してるなと思うけど、漫才はスポーツではなく話芸なのだから、ピッチリ決められてもそれだけでは笑う気にならない。 キングコングも同様だ。キングコングの細かいギャグ(ビクッとしたりするところ、ポイントカード四千回押すところ等)は好きだけど、全体に恩着せがましい笑いというか、まあ、うるさいんですね。客に考えさせない。余白がない。想像させる余地がない。キングコングにはそういうインテリジェントな笑いを作る才能がないと思うので、西野くんが昨夜どれほど涙を流して来年の優勝を誓っても無理です。たぶん、わかってないのだと思います。「聞く者に想像の余地を与えることが生む笑い」ということを。それが話芸の真髄だということを。 ダイ