ドラマにトレンドは確かにあるが、そこに乗ればヒットするとは限らない。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。 * * * ホテルコンシェルジェ、危機管理専門家、保育士、消防士、内閣総理大臣、パティシェ、塗師、村おこしに取り組むスーパー公務員……。「職業」ドラマがやたら目に付く。今に始まったことではないけれど、『半沢直樹』(TBS)あたりから職業をドラマの主軸として扱う方向性に一層拍車がかかってきた気配。 たしかに、「知らない世界を知る」ことは、ドラマの楽しみの一つ。個性的な職業をドラマの題材にしたくなる制作側の気分も、わからなくはない。 昔は医者、刑事、弁護士あたりで十分だった設定も、繰り返しが過ぎれば飽きられる。段々に「あまり知られていない職業」へと触手が伸び、「レアな仕事」がズラリ並ぶようになったのだろう。 では、「個性的な仕事」を物語の中にきっちりと取り込むことに成功している
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