「父が問題を理解するのは年齢的に難しい」。森喜朗の長女は雑誌社の取材にこのように述べた(NEWSポストセブン2021年2月12日)。 ここでいう問題とは、森がおこなったJOCの臨時評議会での40分におよぶ挨拶のなかでの、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」「(組織委員会にも女性はいるが)みんなわきまえておられる」といった発言が抱える問題を指す。 しかし森が理解できずにいたのは、それだけではなかった。 くだんの発言によって東京五輪組織委員会の会長を辞するにあたり、森は後継の会長を川淵三郎でいくと勝手に決め、自宅に招いて就任を要請してしまう。川淵は川淵で「(森が泣いたと聞き)僕ももらい泣きしちゃって」「森さんの期待に沿うべく、しっかりベストを尽くしたい」「森さんを相談役に」とあけっぴろげに報道陣に喋る始末であった。 引き際をわきまえることなく、自分の影響力をいかにして残すかを