日蝕の日が近づくにつれて、人々の奇妙な振る舞いが目立つようになってきた。あわてて本を出版したり、さまざまなグッズを売り出したり、ツアーを企画したりと、この機会に金儲けを企む人たちもあちこちからあらわれているし、メディアもこぞってこの日空を見ようとあおり立てている。南の島ではレイブパーティまで開かれるという。日ごろは天界の出来事に興味も払わなかったにもかかわらず、うなされたように日蝕のことを話題にする人たちも多い。どうやらスピリチュアルとされる人たちも、この流れには逆らわないらしい。それどころか妙に熱心なのもその人たちなのだ。最近は友人の中にも「お前のいうそんな教えはどうということはない」と公言する人物まであらわれた。まるでぼくは孤立しつつある。 でもぼくは知りたい。昔から、いったい世界のどこに、日蝕を見ることをすすめるメディスンマンがいるというのだろうか? 日蝕を見ることをすすめる聖者がど