ドラマ撮影中の事故で、左目を失明したフリーの男性スタントマン(40代)が労災請求したところ、三田労働基準監督署が請求を却下していたことが分かった。男性は審査請求(不服申し立て)を行い、労災認定を目指している。 三田労基署が管轄する東京都港区には、NHKを除いた主要テレビ局(民放キー局)が集まっている。テレビ局は、俳優など「実演家」の労災保険料を払っておらず、男性の労災が認められるかどうかは、実演家の権利向上をめぐる分水嶺となりそうだ。 厚生労働省は近年、リーフレットなどを通し、個人事業主である実演家も「労働者性」があれば、労災は認められると発信している。男性を支援している映画監督で、日本俳優連合(日俳連)理事でもある高瀬将嗣氏は、「労基署の判断は、厚労省の方針と真っ向から対立するものだ」と憤っている。 ●テレビ局は労災保険だけでなく、傷害保険にも未加入 高瀬氏によると、男性は2014年11