ぼくの日記はまるきり引用文だけで終わってしまう日もあって、それは本を読んでいて赤鉛筆で太い線を引きたくなるような箇所に行き当たったときに、実際に赤鉛筆で線を引く代わりにその文章をテキストエディタに入力して日記にアップしてしまうのだけれど、そうした引用文に何か自分の文章を付け足すほどの気力がどうしても湧かない日もあって、そういう場合には引用文だけがぽつんと残されることになる。掲載されたそれらの文章は、それがそこにある理由がまったく説明されていないことから、読まずにスルーする人もいるだろうし、その意図の不明瞭さから、これは俺はこれだけ難しい本を読んでいるぞと吹聴するくだらぬ虚仮脅しに違いないと思う人もいるはずで、特に後者のようなことをある種の苛立ちとともに感じている人がいるのだとしたら、その人にとってぼくは謎かけによってテーバイの住民を苦しめ遂にはオイディプスによって退治されるギリシア神話の怪