新型コロナウイルスの感染対策を巡り、飲食店への自粛要請などが緩和されるなか、なぜ多くの学校で「黙食」が続けられているのか。政府の新型コロナ対策分科会委員に尋ねると、黙食緩和に向けた二つのカギが浮かび上がった。【大沢瑞季】 「そもそも黙食は子どもたちにとって、好ましいことではありません。感染症に注意しながら、緩めるところは緩めて、普通のことができるようにするのが本来の学校の姿ではないでしょうか」 分科会委員を務める岡部信彦さん(川崎市健康安全研究所長)は、漫然と続く黙食に疑問を呈した。大人の世界では、感染リスクをなるべく抑えながら社会経済を回すため、感染状況に応じてさまざまな規制が緩和されてきた。 岡部さんは「『子どもの社会』である学校でも、勉強だけではなく、他者とのコミュニケーションや遊びもひっくるめた教育を戻す必要があります」と強調する。 それには、文部科学省策定の「衛生管理マニュアル」
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