2009年1月29日のブックマーク (1件)

  • 続く夜 - うどんこ天気

    その人はいつも私を車で迎えにきていた。自宅は教えなかった。近くのコンビニで仕事が終わってから、時間を決めて待ち合わせ。小さい暗い色の軽自動車。夜の散歩。私には恋人がいた。相手にも恋人がいた。だからお互いに少し話して夜景を見て、それから事をして家に帰っていく以外何もしなかった。何もしない。手も繋がない。距離もあける。ちゃんと帰る。そのうちに会う間隔が多くなっていった。恋人には、出かけることをきちんきちんと最初は言っていたけれど、そのうち言わなくなった。あまりに頻繁だったから。恋人が嫉妬したから。何もしない。ただの友達。相手が私のことを好きなのは何となく解っていた。素振りや話し振り、大事にしたいと伝えてくれることで。私はいつも真面目には取り合わなかったし、深入りしようとしなかった。面倒なことは嫌いだから。いつも適当にはぐらかすか、「彼女がいるのにそう言うことを言ってはいけませんよ」とニコニコ