先日、東京都内で行われた名球会主催の野球教室「ベースボールアカデミー」の取材をした。1回目は、投手編で西武、ダイエー、巨人、横浜で活躍した、224勝投手、工藤公康さんとのことだった。コーチ役の名前を聞いて、正直、私は、ちょっぴり、ユウウツになった。 なぜなら、工藤さんとは因縁があったからだ。今から36年前。私は入社2年目で26歳になろうとしていた。今はすっかり丸くなったが、しょっちゅうデスクに逆らい、血気盛んでイケイケであった。私より一つ下の工藤さんは西武のエースとして君臨し、生意気盛りであった。そして、その事件は、今はもうない、阪急ブレーブスが本拠地としていた西宮球場の三塁ベンチ裏の試合前に起きた。 ちょっとした取材上の言葉の行き違いから激しい口論となった。突然、ベンチ裏で起きた乱闘寸前のののしり合いにロッカールームから渡辺久信や高山郁夫らが飛び出してきて、仲裁に入った。以来、頑固な私は