── グローバル市場における日本企業の競争力低下が指摘されています。理由はどこにあるとお考えですか。 成井 日本企業の競争力低下について、円高やデジタル技術で遅れたとよく言われます。しかし、私は「オープンソースムーブメントが創り出した新たなビジネスモデルを理解できなかった」ことが最大の要因と考えます。 一般にオープンソースソフトウエア(OSS)と言えば、多くの分野で高いシェアを獲得しているLinuxが有名です。OSSは、ソフトの中身が公開され、世界のトップレベルの企業や技術者が性能向上のためのソフトを無料で提供する貢献により、改善・改良が急速に進むソフトです。 日本企業は、このOSSを、いかにうまく“利用するか”で優位性を築こうとします。しかし今日、家電/ IT企業でのグローバルな勝者は、OSSを良くする「貢献の競争」での勝者です。 ──「貢献の競争」に勝つことが競争力強化につなが