ブログを始めるのは、書きたいことがあるからだ。だから、始めた頃は、いくらでも書くことがある。しかし、数ヶ月も書いていると、息切れしてくる。してきた*1。でも、書くことの楽しみは忘れられない。 そこで思い出したのが、村上龍が『海の向こうで戦争が始まる』という二作目の小説につけていた「あとがき」だ。 この作品を描き上げた夜、あるバーでリチャード・ブローティガンに会った。「二つ目の本になる小説を書いたよ」そう言うと、ブローティガンは「ふうん」と横を向いた。この野郎、おめでとうくらい言ったらどうだ、と思ったが、彼はその時起源が悪かったらしい。もう一度僕に向き直るなり、「大事なのは、三作目だ」と短く言った。 「処女作なんて体験で書けるだろ? 二作目は、一作目で習得した技術と想像力で書ける。体験と想像力を使い果たしたところから作家の戦いは始まるんだから」 脱稿の酔いが、あっという間に醒めてしまった。そ