[震災10年 復興の先へ] 牛と歩む 農地守る道 帰還困難区域で放牧 福島県大熊町 谷咲月さん 東京電力福島第1原子力発電所事故で今も一部が帰還困難区域に指定されている福島県大熊町に、牛の放牧を通して農地の荒廃を防ぐ活動を続ける女性がいる。東京都から福島県に移住した谷咲月さん(38)だ。事故直後、報道で取り残された牛が相次いで死んでいることに衝撃を受け、牛と共に生きる道を自ら選択。「休耕地放牧を通じた里山のモデルに、大熊から挑み続けたい」と意欲を燃やしている。(音道洋範) 「草、食べてもらえば?」地元農家が助言 立ち入りに申請が必要な帰還困難区域に一部が指定されている、大熊町野上地区。山あいに開かれた休耕地で、11頭の牛が干し草をはむ。谷さんは「来たばかりの時は、私の背丈を超える草や木が生い茂り先が見通せない状態だった」と振り返る。 谷さんは震災前、東京で会社員をしていたが、震災後に警戒区
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