・旦那の給料が少ない。 ・駅から家までが遠い。 ・保育園に入れない。 彼女はいつもこんな調子だ。おれは彼女をかわいそうだと思う。 ・旦那がいる。しかも働いている。 ・駅から家まで歩ける距離だ。 ・子どもとの時間が持てる。 こんな風に考えることはないのだろうか?と思うが、それは断じてない。なぜなら彼女は”不幸な女”だからだ。 こうも不幸だと、この人の側にいると、おれにまで不幸が及ぶんじゃないかと不安になる。「だったらそんなやつと会わなければいいじゃないか!」という声が聞こえてきそうだ。その通りだ。しかし、この”不幸な女”はおれの嫁なのだ。 結婚する前の彼女は幸せそうだった。だからおれはまさか彼女が”不幸な女”だなんて夢にも思わなかった。 ”不幸な女”の話を聞いているのはめんどくさい。めんどくさいだけならまだ良いが、その内精神的にきつくなってくる。意見なんて求められてないのはわかった。大げさに