「濃度100%の奈須きのこ」に出遭った衝撃。 まず、『月姫リメイク』をプレイし始めたとき、私は奈須きのこ氏のその特徴的な文体に些かの抵抗を覚えたことをここに告白したい。尤も、彼の文章を読むのは別に『月姫』が初めてという訳ではなかった。 もともとノベルゲームは嫌いではなく、チュンソフトから発売された『428 〜封鎖された渋谷で〜』の「カナン編」などで、奈須きのこ氏の文体に触れたことはあった。 (画像はAmazon | 【PS4】428 封鎖された渋谷で | ゲームソフトより) しかし、『月姫リメイク』での奈須きのこ氏は、まさに水を得た魚のように──TYPE-MOONが彼にとっての水槽で、その中を自由闊達に泳ぐ魚のように──生き生きとしたレトリックを駆使していた。 ダッシュ記号とダブルクォーテーションの連発、意図的に読み方を変えたルビ、主人公である遠野志貴のあまりにも(良い意味で)中二病感溢れ