「あー、いい女だな、と思う。その次には話をしたいなあ、と思う。ね。その次にはもうちょっと長くそばにいたいなあ、と思う。そのうち、こう、なんか気分がやわらかーくなってさ、あーもうこの人を幸せにしたいなあ、って思う。この人のためだったら命なんていらない、もう死んじゃってもいい、そう思う。それが愛ってもんじゃないかい?」 寅次郎がこの長いセリフを発するのは、1975年封切りの「男はつらいよ 葛飾立志篇」である。「車寅次郎」という直情的で惚れやすい架空の人物からのものではあるが、「男の恋心」が身にしみて伝わってくる。(男ってそういうものだよ)ってわけである。なぜか女性より男性の方が「恋愛的」なような気がするのは、きっとぼくが「女の恋心」を持たない「男」だからではあろうが、性的には正しいのかもしれないとも思う。 もう25年くらい前のことになる。ある月刊誌創刊キャンペーンの競合プレゼンに参加した。ター
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