あらゆる科の治療薬には効果だけでなく副作用もある上、ごく一部の人には死に至るような重篤な副作用も存在している。その点で、デメリットのみ強調するマスコミなどの記事が出ると、薬は意味がないと言う議論になりやすい。 薬にはNNT(Number needed to treat)という概念があり、「治療必要例数」と呼ばれている。これは言い換えると、1人をあるエンドポイントから救うために何人を要したか?というもので、一般的に小さいほど効果が高いと言えるが、重要かどうかの吟味はエンドポイントの内容にもよる。 もし想定するエンドポイントが死亡などの重大な結末で、医療費も膨大に要するものであれば、NNTの値が高かったとしても、意味があるといえる。これは医療経済的なものも大きく関係しており、例えば海外のように民間による保険制度の場合、NNTが著しく大きく、またエンドポイントが重篤とは言えない場合、保険金の支払