丹野智文さんは若年性アルツハイマー型認知症当事者。体の研究は、その人の性格や趣味、やっていた仕事と切り離しては進められないな、ということをつくづく感じたインタビューでした。外車のトップセールスマンとして腕を鳴らしていた丹野さん。問題があるならば的確に原因をつきとめ、人の心を動かす労をいとわない姿勢が、そのまま認知症との「普通の」付き合い方の提案になっていて感動しました。「今日の昼ごはん覚えてる?」という質問がいかに無意味か、そして「夕ご飯に何を食べたい?」という質問がいかにボジティブか。予防ではなく備えを、という指摘も、他のさまざまな障害にも言えることだと思います。 丹野智文さんプロフィール 1974年生。宮城の認知症をともに考える会「おれんじドア」代表。大手自動車販売店で営業マンとして働いていた39歳の頃、若年性アルツハイマー型認知症としての診断を受ける。『丹野智文 笑顔で生きる―認知症