水道水の原料となる河川などには、消毒に用いている塩素が効きにくい病原性微生物が流れてきてしまうときがあります。クリプトスポリジウムはその代表的な微生物の一つです。 このページでは、浄水処理におけるクリプトスポリジウムへの対策を紹介します。 1 クリプトスポリジウムとは? クリプトスポリジウムとは、人にも家畜にも感染する病原体の一種です。 クリプトスポリジウムに汚染された食物や飲料水などにより、口から入って腸に寄生し、下痢や腹痛、発熱を引き起こします。これらの症状は健康状態にも寄りますが、通常は1~2週間で免疫が働き、自然に治ります。 クリプトスポリジウムは直径4.5μm~5μmの大きさのオーシストと呼ばれる殻のようなものに包まれた状態で環境中に排出されるため、環境水中で長期間生存できます。 また、塩素に対する抵抗性も高く、家畜・野生動物の糞尿等が水源に混入し、浄水場で除去できずに水道水が汚