スポーツとともに歩む夫婦は、アスリートだけではなく指導者、さらに言えば海外で過ごす人々もそうだ。かつてブラジル男女代表技術コーチ、さらにはブラジル男子代表監督を務め、現在も同国で柔道を指導する藤井裕子さん、夫の陽樹さん、フットボール王国で鍛錬に励む長男・清竹君らリオデジャネイロ在住の藤井一家に現地在住ライターが連続インタビューした。(NumberWeb「いい夫婦・家族シリーズ」全6回の第1回/#2、#3につづく) 日本人のスポーツ指導者としてはかなり例外的な、波乱万丈の柔道人生、と評していいだろう。 失礼ながら――現役時代、日本でのエリート街道を突っ走ってきたわけではない。しかし41歳となった今、海外で柔道のプロコーチとして高い評価を手にしている。なおかつ、夫の全面的な協力を得て、幸福な五人一家を築いている。 英国への語学留学で大きく変わった運命 藤井裕子さんは愛知県大府市出身。1992年