スコットランド自治政府の高等教育に対する姿勢は、公共政策の失敗の見本と呼ぶべきものだ。端的に言って、与党スコットランド民族党(SNP)の掲げる目標とは正反対の結果をもたらしているからだ。 どういうことか。スコットランドでは、住民は域内のどの大学でも無料で高等教育を受けることができる。それには、英国の大学ランキングでオックスフォード大学やケンブリッジ大学をおさえ、1位に選ばれたセントアンドルーズ大学も含まれる(何を隠そう、筆者の母校でもある)。 スコットランド自治政府のこの政策は、所得格差の是正というSNPの目標にも合致している。SNPのウェブサイトでは「不平等との闘いは、より公平な社会の実現にとってだけでなく、経済の長期的な繁栄にとっても不可欠」とうたわれている。 こうした目標はたしかに真摯なものではあるのだろう。だが、それがうまくいっているかというと、そうではないのだ。 問題の核心は、ほ
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