前回、自衛隊において、戦車や戦闘機といった正面花形装備ではない装備の充足率、稼働率、備蓄が極めて少ない、クリティカルな状態にあると述べた。現状は、土台や柱をぞんざいにした家に、豪華で重たい屋根を乗せているようなものだ。 整備費が調達費を上回る 前回説明したように、無線機など非正面装備は定数を大幅に割り込んでいる。現実問題として、他国の何倍もする高コストな装備や新型戦車など優先順位の低い正面装備向けの予算を削って捻出しないと、これらの装備の定数が確保できないだろう。 しかも、戦車や戦闘機などの正面装備を調達するため予算も1990年をピークに減少を続けている。 我が国の防衛費は約4.7兆円だ。その中で装備調達や維持にかけられる予算は年々減っている。まずグラフ1を見ていただきたい。 対して装備の維持整備費用は増加の一途をたどっている。これは現代の装備(兵器)システムが高度化、高額化しており、その
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