ところで、北斗晶さん、小林麻央さんのときもそうですが、有名人が乳がんになったというニュースが流れると、必ずと言っていいほど早期発見の重要性を訴え、乳がん検診の受診を促すような新聞記事やネット記事が掲載されます。 34歳の若さでこの世を去った小林麻央さん ©文藝春秋 医師が書いた記事にも誤りがある 私はそんな記事を見るたびに、毎回うんざりさせられます。なぜなら、科学的根拠に基づく医療(EBM)の観点から見ると、かならずしも「正しい」とは言えない内容が少なくないからです。記者が思い込みで書いたものだけでなく、医師のコメントや医師が書いた記事の中にも、疑問に感じざるを得ないものがあります。 がん検診は「とにかく受ければいい」というものではありません。科学的根拠に基づいて、推奨される年代や方法が決まっています。それを踏まえずに、とにかく乳がん検診を受けさせようとすることは、多くの人に間違った行動を