東京五輪・パラリンピックのテスト大会を巡る入札談合事件で、東京地検特捜部が受注調整を主導したとされる大会組織委員会の大会運営局元次長とともに、広告最大手の電通側も独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで立件する方向で検討していることが1日、関係者への取材で分かった。特捜部は近く元次長らを本格追及するとみられる。 関係者によると、日本陸上競技連盟出身の元次長や電通から組織委への出向者、電通本体の幹部らは、広告会社などの競技運営実績に基づいた一覧表の更新を重ねたとされる。これを基に受注調整が進められた。たたき台は電通側が作成していた。 電通側は、同社元専務の高橋治之被告が受託収賄罪で4回起訴された五輪汚職事件でも捜査対象になったが立件されなかった。談合事件では一覧表に関わるなど関与の度合いが大きいとして、特捜部は刑事責任の追及が必要と判断したもようだ。公正取引委員会と連携して調べている。