「1975年まで世界を半周し、クレイジーなアナーキストになり、 6年間アンダーグラウンド映画の制作に携わり、修道院に住んだりトラックで生活したりしていたんだ」 アンソニー・ムーア(ex-スラップ・ハッピー) 再発された幻のソロ作『Out』を語る アンソニー・ムーア。“ノスタルジックでモダーンな響きを秘めた”この名前に心がはやる人はきっと、70年代に10代を過ごしプログレッシヴ・ロックの形骸化からパンクの勃興と衰退をリアルタイムで感じてきた世代だろう。マイク・オールドフィールド、ゴング、ヘンリー・カウ、タンジェリン・ドリーム、ファウストetc……アンダーグラウンドな未知のロックを繰り出すヴァージン・レコードの日本登場はピンク・フロイドやキング・クリムゾンだけでは飽き足りない探究心旺盛な少年の心を悩ましく揺さぶった。そんな異類異形の中から凛としたモノクロ写真のジャケットをまとって現れた英米独の