戦後、連合国軍総司令部(GHQ)に接収され東京裁判のジョセフ・キーナン首席検事(米国代表)の居宅として使われたことでも知られる講談社第一別館(旧三井高陽男爵邸)=東京都文京区目白台=が取り壊されることになり、玄関部分などが9日、解体された。所有者の講談社が跡地に新ビルを建設するためだが、建築の専門家からは「歴史的に貴重な建物。取り壊しは残念」との声が上がっている。 同邸宅は昭和12年(1937)に建設されたスパニッシュ様式の洋館。同社によると、地上2階、地下1階の木造建築で延べ床面積は2275�u。キーナン首席検事の居宅だったほか、同社が研修所や作家・漫画家の締め切り前の集中的な執筆作業場として活用。ノンフィクション作家の立花隆氏や、漫画家ではちばてつや氏、松本零士氏らも使ったという。キーナン首席検事は東京裁判で主導的な役割を果たし、天皇の免責を主張した。 老朽化が進んだため、数年前に耐震