「頑張らない」どころか、「頑張る」ことは禁止──。そんな「脱力系」ともいえる企業風土をもつ会社を、これまで聞いたことがあるだろうか。 多くの企業で当たり前とされている、目標を定め、ノルマを決め、期限までにやり切る。こうしたやり方を一切やめる、「しない経営」を展開し、4000億円空白市場を開拓、10期連続最高益を果たした企業がある。 作業服、特に建設作業や工場作業向けウェアの専門店として、日本最大手の市場を誇るワークマンだ。 ワークマンは30年以上、「個人向け作業服」というニッチなジャンルで独占市場を築いてきた。だが近年、2018年に新規参入した一般向けアウトドアウェアを扱う「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」がヒットし、昨年には、国内の同社系列店舗数がユニクロを超えるなど、飛躍的な成長を遂げている。 こうした今日のワークマン躍進の仕掛け人となったのが、昨年10月に『ワークマン式