バァンバァンバァン 先輩の頭を三発の弾丸が貫いたことに気づいたのは、俺の右手にあったアナコンダからの鉄臭い白煙が上がっているのを見たときだった。 ドスン、と、米俵を地面に落とした時のように鈍い音がした。それから、小さな振動。 ......ブウウーーーーンンンーーーーンンンーーーー...... 先輩の顔にある大きなホクロ(一般に「虹彩」と呼ばれるようだが)に蠅が止まったのを見て、「あア、死ンだな」と思った。 ふと、俺の持っていた銃にひとつだけ、弾丸が残っているのに気付いた。 せっかくなので先輩の顔にある"ホクロ"に撃っておいた。 俺は先輩を見ていた。否、正確には、彼の顔から飛び出る血飛沫を見ていた。 血飛沫に付着した赤黒いマーブル模様の肉片や、蠅の羽根の切れ端を見ていた。 ......ただーーーーーー......ーーーーーー見ていた。