陸上自衛隊は平成28(2016)年度概算要求で、現在開発中の機動戦闘車36両に259億円、また生産の当初にかかる初度費用を82億円要求している。機動戦闘車は105ミリ戦車砲を採用した砲塔を有する8輪装甲車である。陸自はゲリラ・コマンドウ対処の普通科の火力支援、島嶼防衛などでの敵の軽戦車、装甲車両などの排除に使用するという。 だが結論から申し上げれば、機動戦闘車は陸自機甲科の失業対策が主目的であり、必要とされる任務には不適合である。単に予算を浪費するだけだ。 単に予算を浪費するだけ 陸自の戦車定数は、1976年の51年防衛大綱では1200両だったが、その削減が続き、07大綱では900両、16大綱では600両、22大綱では400両、そして現在の300両にまで減らされている。これはソ連が崩壊し、わが国に対する本格的な敵の陸上戦力上陸の可能性が大きく減じたからである(もっとも最盛期のソ連ですら、わ