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ブックマーク / wedge.ismedia.jp (13)

  • 薬物、アルコール、高カロリー食、ギャンブル…… 「快感」と「依存」のしくみを探る

    歌手のASKA氏の覚醒剤事件や危険ドラッグの横行をみるにつけ、「なぜ手を出したのか?」「なぜやめられないのか?」と、蚊帳の外の人間は疑問に思う。 社会的な、あるいは文化的な説明はもちろん重要だが、それはいったん脇に置き、「もっと根的な、文化の差異を超えた生物学的な解明」を試みたのが、書である。 快感をめぐる神経生物学分野のめざましい進展 著者のデイヴィッド・J・リンデン氏は、ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授を務める神経科学者。おもに細胞レベルでの記憶のメカニズムの研究に取り組むとともに、脳神経科学の一般向けの解説にも力を入れている、と帯にある。 原書の副題は、「私たちの脳はどのように、高カロリーやオーガズム、エクササイズ、マリファナ、慈善行為、ウォッカ、学習、ギャンブルをすごく気持ちいいと感じさせるのか」である。ここに示唆されるように、書は医学的な依存症のみを扱っているのでも、文

    薬物、アルコール、高カロリー食、ギャンブル…… 「快感」と「依存」のしくみを探る
  • 「幻覚」をとおして見る脳がつくりだす知覚世界の不思議

    目もくらむほどの明るい閃光が突然、視野の隅に現れた。それは生きているかのようにうごめき、広がって、大きな弧を描きつつ移動する。きらきら、ぎざぎざした歯車のような光の束が、みるみるうちに視界を覆った。 何が起きているのか? 目に異常が起きたのか? それとも、頭がおかしくなったのだろうか。全身の細胞が警報を発し、拍動が大きくなる。 足下を気づかいながら洗面所に行き、おそるおそる鏡をのぞく。眼球に異常はないようだ。しばらくして閃光が通過すると、空虚な闇が残り、そこだけ何も見えない。落ち着かなくては。考えをめぐらすうち、もしや、これがあの閃輝暗点か、と気がついた。 閃輝暗点とは、片頭痛発作の前兆のひとつである。片頭痛の前に起こる視覚障害としてありふれたものだと、頭痛の専門医に聞いたことがあった。自分も頭痛持ちではあるが、はっきりとした前兆は初めてだ。原因がわかると、パニックはすうっとおさまった。

    「幻覚」をとおして見る脳がつくりだす知覚世界の不思議
  • STAP細胞問題から問い直す 科学と社会の関係のあり方とは

  • 科学の森へ分け入ったベストセラー作家

    軽薄な言い方かもしれないが、「死ぬまでに読んでおきたい」があるとすれば、書はまちがいなく、その候補に挙げられるべきだろう。願わくは、死ぬ間際でなく、人生のなるべく早い時期がいい。 文庫上巻の背表紙に「こんなが小学生時代にあれば・・・・・・」とあるが、書を読み終えたいま、もっと早く出会っていれば、という苦い後悔と、何はともあれ出会えてよかった、という幸福感とがないまぜになった複雑な心境である。人生の後半に出会った恋人たちのようだ。 2006年に出た邦訳を幸運にも読まれた方々は、解説の成毛眞氏によると、厚さ4.5センチ、重さ655グラム(!)もの単行を持ち上げるという「修行」を課されたそうだが、ほとんどの読者は、「一週間もしないうちに読み終わったのだ」という。あまりの面白さに、ページをめくる手が止まらないのだ。 それがこのほど、体力に自信がなくても読める文庫になったのだから、読まな

    科学の森へ分け入ったベストセラー作家
  • Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)

  • 既存オンライン秩序への中国の挑戦

    中国が既存のオンライン秩序への挑戦を強化し、「オンラインに関わる国家主権」をも主張し始めている、とエコノミスト誌4月4-10日号が報じています。 3月下旬、ソフト開発のための米国の共有ウェブサービスGitHubと、通常ブロックされているコンテンツへのアクセスを中国のユーザーに提供するサイトGreatfire.orgが、大量のデータを送り付けるDos攻撃を受けた。攻撃の手段として中国の検閲用フィルターGreat Firewallが使われたことと、攻撃の動機が注目に価する。 これまで国外のユーザーがGreat Firewallの影響を受けることはほとんどなかったが、今回の攻撃で事情は変わった。攻撃の当面の目的は、外国から中国の検索エンジンに入る情報の流れを妨害することだが、長期的には、外国のインターネット会社に「特定のカテゴリーのコンテンツ」を除去するよう仕向けることにあろう。 実際に手を下し

    既存オンライン秩序への中国の挑戦
  • 独自の発想でつくり上げた終末期のための病院 人に寄り添う医療の可能性

    高齢化が急激に進みつつあった70年代、独自の発想で終末期のための病院をゼロからつくり上げ、育ててきた。豊かな最晩年の実現をめざし人に寄り添う医療の可能性を追求する。 広々としたエントランス、壁にはアート作品、花壇には四季の花々。ギャラリー? それともリゾートホテル? 一瞬、勘違いしてしまいそうだが、ここは「よみうりランド慶友病院」。病院なのである。しかし、外来受付はない。すれ違う入院患者はみんな高齢。車椅子の人も多い。昼下がりの院内には、リハビリに励む人、映画を見ている人、ジグソーパズルに取り組む人、新聞を読む人、まるで自分の家のように時間を過ごしている。夕暮れにはお酒を楽しむ姿も……。 「入院している方の平均年齢は87歳。ここで暮らす余命が半年以内という方が4割から5割くらい。治療目的の病院ではなく療養病床中心で、高齢者が人生の残された時間をできるだけ苦痛がなく、家族と穏やかな時を過ごす

    独自の発想でつくり上げた終末期のための病院 人に寄り添う医療の可能性
  • 遺伝子組換え食品 海外での“大事件”が報じられない日本(前篇)

    遺伝子組換え海外での “大事件”が報じられない日(前篇) 「遺伝子組換えトウモロコシに発がん性」? 遺伝子組換え品について2012年、海外で大きな “事件”がいくつもありました。フランス人研究者によって書かれた「遺伝子組換えトウモロコシに発がん性がある」とする論文をめぐる大騒動、米国カリフォルニア州で行われた表示をめぐる州民投票、米国で遺伝子組換えサケの品としての認可へ近づいたこと……。 どれも、欧米のマスメディアは大々的に報道しています。今後の遺伝子組換え品の動向、つまりは、世界の料情勢を検討するにあたっての重要材料だと思いますが、日ではほとんど報道されていません。これでは、日人は井の中の蛙になりかねないではありませんか! 2回にわけてご紹介しましょう。 フランス発 「ついに遺伝子組換えの有害性が明らかに」? まずは、発がん性研究の顛末。フランスCaen大学の分子生物

    遺伝子組換え食品 海外での“大事件”が報じられない日本(前篇)
  • 閖上の朝市が成功する秘訣「地元の人が楽しめる」場所づくり

  • 日本人技術者を買う中国企業

    書を一読して、これほどまでに多くの日技術者が中国を中心とした海外に渡っているのか、ということを知り驚いた。中国技術水準の向上などのニュースに接する時などに関連して言及されるために、こうした日技術者の存在は知ってはいたが、これほど多いとは。2000人とも3000人ともあるいは5000人いるかもしれないが、当は何人ぐらいいるのかおそらく真相は誰にもわからないだろう。だがそれがどんな数字であっても、相当大きな数である。 しかも多くが日のメーカーでばりばり働いていた仕事熱心な技術者である。そうした人たちの頭脳や技術を借りれば中国メーカーにも当然、恩恵は大きいはずである。 日企業が時間とカネをかけて営々と築いてきた技術に追いつくために手っ取り早いのが人材を引き抜くことである。彼らに高額な報酬を支払ったとしてもペイするからこそ、中国企業は日の人材を活用するのである。人材を買うことで

    日本人技術者を買う中国企業
  • 科学無視のトランス脂肪酸批判 思わぬ弊害が表面化

    2005~06年ごろ、「狂った油」、「べるプラスチック」などと週刊誌などで大げさに書き立てられた物質があったこと、覚えていますか? 脂質に含まれる脂肪酸の一種、「トランス脂肪酸」です。トランス脂肪酸は、多くべると狭心症や心筋梗塞など冠動脈疾患のリスクが高まるとされ、海外では品中に含まれる量の上限値を決めている国があります。一方で、日では「摂取量が海外ほど多くないとみられる」などとして規制が行われず、市民団体や一部の週刊誌などが強く批判していました。 そして、福島みずほ・社民党党首が2009年9月、内閣府特命担当大臣(消費者及び品安全・少子化対策・男女共同参画)に就任してすぐ、「品中の含有量の表示義務化」へ向けた検討を消費者庁に指示したのです。市民団体の一部はやんやの喝采でした。 別の健康リスクも さて、その実態はどうだったのか? 当にリスクは高いのか? 科学的にリスクを検討す

    科学無視のトランス脂肪酸批判 思わぬ弊害が表面化
  • 世界からとり残される日本の儲からない漁業

    これまで、世界と日の漁業の違いを知っていただくことで、何人の方々から「目からウロコが落ちた」と言っていただいたことでしょうか? 11月には、人気連載漫画の島耕作シリーズ(モーニング・講談社)でも、日の漁業の問題が取り上げられていました(参考文献:勝川俊雄著『漁業という日の問題』)。「魚」の話は身近であり、どなたにでも問題点が非常にわかりやすいのが特徴だと思います。 このコラムでお伝えしたいのは「客観的で正しい情報の提供」です。日の水産業を取り巻く環境はあまりにも一般に知られていません。世界の中で、日がどのような状態になってしまっているのかを伝え続けることで、地方創生を含め、良い方向に復活させる手助けができればと考えます。 前回のコラムの写真の漁船はデンマーク船でしたが、ノルウェーに水揚げしているために、ノルウェー船と思われた方がいたようです。ノルウェーだけでなく、デンマーク、アイ

    世界からとり残される日本の儲からない漁業
  • 街を助けつつ、街に頼らない 地方で「面白いこと」をするために

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