不知火海沿岸で水銀汚染が深刻な時期に生まれ育った水俣病の未認定患者8人が、国と熊本県、原因企業チッソに総額2億1200万円の損害賠償を求めた「水俣病被害者互助会訴訟」の判決が31日、熊本地裁(片山昭人裁判長)であった。片山裁判長は原告3人に対しそれぞれ220万~1億500万円の賠償を命じ、国・県の責任も認めた。 原告は熊本、鹿児島両県に住む54~61歳の男女8人。水俣病の重症患者が多く出た世代の子どもの世代にあたる。 原告側は、胎児期・小児期からチッソの排水でメチル水銀に汚染された魚介類を食べた影響で、水俣病の典型症状である手足の感覚障害や、頭痛、めまい、こむら返りなどがあり、肉体的・精神的な苦痛を受けていると訴えていた。7人は、認定患者がチッソとの協定に基づいて受け取る慰謝料の最低額と同じ1600万円、全身の機能障害がある1人は1億円を請求していた。 被告側は、原告がメチル水銀を摂取した