どうして、こんなことになってしまったのだろう。 この階段をみると、その疑問の答えも何となくわかったような気になる。おれには建築工学の知識が全くないので、もちろんこれは素人の印象に過ぎないのだけども、これでは全く強度が保てないのではないか。これほど頼りない階段をみたのは生まれてはじめてのことで、登っている間は全く生きた心地がしなかった。天井も、真横からみるとまるでウエハースのように薄っぺらい。こんな弱々しいものの上で、とんだりはねたりしていたかと思うと心底ぞっとした。そういえば、下の階には、人間の頭ほどのコンクリートの塊が転がっていた。ということは、それがいつおれの頭を直撃してもおかしくなかったってことだし、おれがいつこの屋根を踏み抜いてもおかしくないってことだ。 この建物のデザインは大変に素晴らしい。地形を活かして、建物の中に坂道があったりするところなんて最高に興奮する。どうってことのない

