切断や研削、研磨など半導体の製造工程で使う精密加工装置を製造するディスコの業績が好調だ。2007年3月期決算で売上高が前年比25.1%増の862億円、経常利益は36.5%増の197億円を記録。経常利益率は実に22.8%にもなる。IT(情報技術)バブルの絶頂にあった2001年3月期の売上高741億円をも上回り、完全にV字回復を遂げた。 この好業績を支えるのは、2003年4月に導入した独自の経営管理手法「Will(ウィル)会計」。ディスコは1993年に京セラのアメーバ経営を本格導入した。しかしITバブルがはじけた際に過剰在庫を抱え、2002年3月期決算は売上高304億円、経常赤字23億円という散々たる結果。これをきっかけに、10年近く実践していたアメーバ経営を自社流に大幅改訂するプロジェクトをスタートさせて、Will会計手法を編み出したのである。 Will会計手法の導入の大きな目的は、需給変化