著: 金井茉利絵 家族で最後に過ごした街「大森」 私が大森に住んでいたのは、小学1年〜中学3年まで。大森は母親の出身地でもあり、駅から徒歩15分ほどの母親の実家を建て直した一軒家に住んでいた。たまに家族で「ダイシン」に行ったり、駅ビルに昔あったパスタ屋さんで食べたり、大森貝塚の近くの塾に通って帰りは母親が迎えに来たりと、今思うとちょうどいい大森ライフを幸せに送っていた時代だった。 ただ、中学3年のころ、家族の事業に問題が起きてお金がなくなり、家も土地も売ることになり、家族で引越しすることに。さらにその後いろいろあって、家族4人で仲良く暮らしていたのはその大森の家が最後となってしまった。 そんなことがあった大森なので、自分にとっては少し切ない、最後の家族の思い出がある場所ではある。でも実はなぜか大森に行っても特に何も感じないし、「うわー」と何か悲しい思い出し方をしたりする感じは全然ない。いつ