先日こちらの合同誌に投稿した、かつてdiscordに存在したクローズドコミュニティについての記録を再掲・加筆しました。合同誌の方も買って読んでね、200円でいろいろ読めておトクだよ。 みんなであつまりま専科 人は誰しも、青春の場所を持っている。甲子園出場を目指して毎日走り込みとノックを繰り返したグラウンド、冬の寒さにかじかむ指先をホッカイロで温めながら英単語帳を開いていたバス停、大学の授業に出席せず昼間から缶ビー ル片手にふらついた河川敷、放課後の合奏練習の合間に紅茶とお菓子のティータイムを楽しみつつ下校時刻ギリギリまで駄弁り倒した音楽室。それぞれの場所にそれぞれの思い出があり、 ひとつとして同じものはない。だが、誰にだって一度は記憶の底からふと浮き上がってきた懐かしい景色の手触りにおもわず破顔させられた経験があるだろう。俺にとってはそのような場所が『揮発する酒場』であった。 揮発する酒場