安倍政権の教育再生実行会議で、大学入試センター試験の一発勝負性を排して、フランスの大学入学資格試験バカロレアのように「達成度テスト」を年間数度行ってはどうか、と提言された。だが、日本のようにセンター試験が、ひとつのイニシエーション(通過儀礼)ほどに重大視されている、試験にナーバスな国では度重なる入試に気を取られ、平時の高校の授業を大混乱に陥れるであろう。 《昨今の大学入試の動向は》 では、大学入試を考えるうえで、現行の入試自体は易しくなっているのか、難しくなっているのか、入試の形態はどのように変わってきたのか-昨今の大学入試の動向を追ってみよう。 まず難易である。大学入試は、志願者である18歳前後の人口と、大学の定員とのせめぎあいで難易が決まる。18歳人口が多く、大学の定員が少なければ大学入試は難しくなるし、その逆なら易しくなる。そこでまず18歳人口の推移をみてみよう。 少し時代は遡(さか