篠原成彦「言語の起源/起源の言語」(飯田隆編『岩波講座哲学03言語/思考の哲学』pp. 119-138) 内容 はじめに 一 四つの基本仮説 二 自然選択とチョムスキー 三 ビッカートンの二段階進化説 四 言語進化とコミュニケーション 五 内的表象って大丈夫なのか? おわりに (書名からのリンクはAmazonです。) 評者による要約 言語起源論については、目下、学際的に活発な議論が行われている。このような状況において、哲学者は懐疑精神を働かせることで寄与し得る。 言語起源論の指針的な仮説は次の四つである。 1言語は自然選択がもたらした生物学的適応の一例である。 2言語は漸進的に進化した。 3言語はコミュニケーションの道具として誕生し、そして進化してきた。 4一般に生物は内的表象のシステムを持っている。 しかし、これらの仮説についても反論が提起されている。 1については、チョムスキーによる、