学内の紀要に発表した論文にほかの論文からの盗用があったとして、上智大学が外国語学部ロシア語学科の上野俊彦教授(62)を処分していたことがわかった。上智大によると、上野教授は学内調査に不適切な流用を認めたが、大学側は「解雇処分に至っていない事案は公表しない」として処分内容を明らかにしていない。 上智大によると、問題の論文は2015年3月発行の「上智ヨーロッパ研究」に掲載された「ウクライナ政変の背景」。ほかの研究者の論文から無断で転載した箇所が複数あったという。外部からの指摘を受けて発覚し、大学側は全国の大学図書館などに配った掲載誌を回収。今年3月に上野教授を処分し、文部科学省に報告した。 上野教授は31日、朝日新聞の取材に、「経緯について私から特に申し上げることはない」と話した。(志村英司)