今年二月に森喜朗元首相が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などの女性蔑視発言が原因で五輪組織委員会の会長を辞任したことは記憶に新しいが、近年、このようなシニア世代の「暴走」を目にする機会が増えている。 つい先日も、森氏と同じく80代であるDHCの吉田嘉明会長が、兼ねてより氏が繰り返している在日コリアンへの差別発言を番組で取り上げたNHKに対して、「NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう」などの信じがたい声明を出したことに、多くの批判が集まった。 森氏や吉田氏の発言そのものも驚くべきものであるが、私が最も危機感を覚えるのは、このような「暴走」に自分自身で気づくことすらできないレベルで時代遅れの価値観にとらわれた人たちが、政治にしても企業にしてもリーダーという立場に居座り続けているという「世代循環」の問題だ。 世代循環の遮断。日本社会の未来を左右するこの問題は、政治や企業
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