数学の基礎としての欠陥は、中途半端であったことです。 ラッセルの理論の特徴は、以下の点であると言うことが出来ます。 (1)厳格な型規則 (2)還元公理に代表される、型に妨害されずに古典的数学を展開するための抜け道 余り技術的細目に入らない方がいいと思いますので、詳細の説明はしません。要は、ラッセルのパラドックスを防ぎ厳格に数学を展開するためには、厳格な型規則が必要だが、一方で、型規則が厳格すぎると、解析学を展開するのが非常に面倒になります。そこで、ラッセルは還元公理などの抜け道を造り、本来は型が違う対象を、無理矢理同じ型を持つものとして扱うことを認めました。ラッセルは、この両者で、厳格な理論と古典数学を展開するための扱いやすさ、両方のいいとこ取りを狙ったわけです。 しかし、多くの論者は、(1)と(2)のコンフリクトにあきれかえったわけです。 ラッセルの分岐型理論の偉大な後継者と