別所に書いた、科学や科学哲学についての雑文をまとめます。 ○眼差し 伊勢田さんが優れているのは、科学にも哲学にもよく目を向けてきちんと論じている所だろうと思う。科学(者)に対してメタな所から、科学の実践を無視したあまりにも抽象的な議論を吹っかけたりしない※ だから菊池さんも、伊勢田さんの本の内容には賛同出来る所がある、と評したのだろう。 当然、科学の側から哲学へ半可通的な議論を吹っかけるのも好ましいことではないが(いや、「議論せずにほったらかす」か「小馬鹿にする」というのがむしろ観察範囲ではしばしば見られる。後で何となく関連するようなしないようなことを書く)。 ※メタな議論自体は重要なので。当たり前の話だけど釘刺し ○「科学」 私が「科学」と言った場合、それは19世紀頃に制度化された所の科学を指す。従ってそれは、専門家集団の相互批判による知識の集積・検討という仕組みそのものをも含む概念とし