2017年2月17日、オランダのユトレヒトでディック・ブルーナさんが亡くなりました。89歳でした。 ブルーナさんがそのキャリアのごく初期に、父親の経営する Bruna & Zoon 社で数多くの装幀を手掛けていたことはよく知られています。そのなかには多数のミステリー作品が含まれていました。 最初のうちはハードカバーをデザインしていましたが、1955年にペーパーバックの Zwarte Beertjes(ブラックベア)叢書が創刊されると、その後ゆうに1400冊を越える書籍の装幀を手掛けました。とりわけオランダのミステリー作家ハファンクや、ベルギー出身のジョルジュ・シムノンなどの装幀は多く、シリーズの特性を活かしたアイデア溢れるそのデザインは世界中の読書愛好家の心をつかみました。 ブルーナさんは小説作品を読んだ上で装幀をしていたそうです。ブラックベア叢書のなかには「本当にこれがブルーナなのか?」