アメリカ人は法廷ドラマが大好きですし、多くの州や連邦では主要な法廷がTV中継されることも珍しくありません。そんな中で、陪審員が下す判決は、世相を反映すると同時に新たな世相を作っていくという面があるようです。例えば、ここのところ社会的な注目を浴びた有名人の裁判について、連続して無罪評決が出ています。 1つは、元メジャーリーグ投手、ロジャー・クレメンス被告の裁判です。クレメンス被告はレッドソックスのエースとして長く活躍した後、ブルージェイズやヤンキース、アストロズでも先発の柱として存在感を示し、通算成績は354勝で敗戦はわずかに184、生涯通算防御率は3・12という圧倒的な成績を残しています。 このクレメンスですが、2007年に大リーグのコミッショナーが特別に諮問した「ミッチェル委員会」の薬物使用疑惑調査に引っかかり、クロ判定となっています。ただ、2008年に、連邦議会の公聴会に呼ばれた時も含