海外からの帰国者に「デング熱」の感染者が増えている。10年前には年10人程度だったのが、最近は100人前後で推移。今年も7月15日時点ですでに64人の感染者が確認されている。死亡するケースもあるだけに、夏の海外旅行シーズンを前に厚生労働省では注意を呼びかけている。 デング熱は、デングウイルスを持つ蚊を媒介して感染する。2〜15日の潜伏期間を経ての急な発熱が特徴で、その後、38〜40度の高熱が5〜7日間続き、激しい頭痛や関節痛なども伴う。 まれにだが、皮下や歯ぐきから出血するデング出血熱を発症し、死亡するケースもある。大人よりも子供の方が発症することが多く、特に注意が必要だ。ワクチンや治療薬はなく、「蚊に刺されないようにすることが唯一の予防策」(厚労省)という。 流行がみられるのはアジアや中南米、アフリカなど熱帯・亜熱帯地域。世界では毎年約5000万人が発症している。帰国者の感染報告が増加し