2014-05-19 霧の中 深夜から朝にかけて突然街が深い霧に覆われることがある。五十メートル先が見えないような濃霧だ。もともとこのあたりは山だったらしいのでその名残だとは思うが、窓を開けるとあたりの風景すべてが白いもやに覆われているのを見るとぎょっとする。数時間前には何もなかったのだ。地獄がもしあるならばこういう眺めではないかと思う。ほとんど先が見えないような場所で永遠に出口を求めてさまよい続けるのだ。前も後ろもわからなくなり、霧の中で座り込んで、来るのかどうかすらわからない助けをずっと待ち続けるのである。 私は地方に住んでいるが、車は持たない主義だ。買い物はすべて徒歩で行っている。一番遠い卸は往復六キロ離れておりたまに肉をキロ単位で買いに行く。荷物が多すぎる時にはタクシーを呼ぶが基本的には徒歩だ。そのための足に合った靴、荷物を運ぶためのリュックサック、日除けグッズなどが必須である。