先日、都内に無数に存在する、電源を貸してくれ、珈琲のあとにお茶が出ることでよく知られる喫茶店チェーンで原稿を書いていた。不思議なことに、原稿書きに愛用しているこのチェーンでは、宗教、押し売り、保険から始まるありとあらゆる勧誘、マルチ商法を目にし、社会の恐ろしさと、「美味しい話」を疑うことなく、ほいほい契約する人々を何度も目撃して震撼してきた。その日は30代と思しき男女2人組の転職エージェントらしき人物が、ずっと転職希望者の面接を行っていた。 そもそも喫茶店のようなセミオープンな空間で本来それなりにセンシティブであるはずの転職の話を提案された時点で、そのエージェントを使う気はちょっとしないが、それでも次から次へと4、50代の中高年の男性が面接にやってくる。実際、否が応でも話がちらちら耳に入ってきてしまう。最初は景気が底を打ったといわれているから、人手不足で転職市場も活性化しているのかとも思え